名監督は選手としても優秀だったのか

プロ野球の監督を評するのに、名選手であっても名監督であるとは限らないと言われることがあります。必ずしも有名な選手だった方が、名監督として名声を得る訳ではありません。元近鉄の監督の仰木彬さんや現在のヤクルトの小川淳司監督は、プロ野球の現役選手の頃はあまり目立たない存在でしたが、監督として立派な成績があります。両監督ともチーム状態を立て直して、思い切った選手起用をしてチームを上昇気流に導いていった記録を残していて、選手に自信をつけさせて育て上げた監督として有名です。しかし、巨人の元監督の原辰徳さんのように4番打者として名を馳せた方でも、チームを優勝に導いて国際大会でも立派な成績を残した監督もいます。現在の阪神の金本知憲監督も原さんと同様に華々しい選手でしたが、チームを上位にのし上げているでしょう。

若い頃から名選手で鳴らした方は、下積みで努力してきた選手の気持ちが分からないから上手く選手を使えないのではと言われることもあります。しかし、名選手かそうでないかは関係ないのではないでしょうか。人柄が良く思いやりを持ちながら選手の気持ちを推し量って、時には非情な判断を下せる方がプロ野球の監督に向いているのではないでしょうか。